私が人生系YouTuberという言葉を知ったのはある動画を見てからだ。
その動画は、タイトルに底辺、派遣と言ったワードが組み込まれており、
何やら興味をそそられてしまった。
内容は、派遣の仕事をやっている中年の私生活を動画にしているものであった。
YouTubeはルーティン動画と言う、一日の生活の流れを動画にしたものがある。
この派遣の男性も仕事に行ってから帰宅し、就寝するまでの流れを動画にしていた。中年男性の一日のルーティンなど興味はないが、これに底辺、派遣とついていると話は別である。底辺と付いているだけで、恐らく貧乏だろう、苦労しているだろうと連想してしまう。そんな男性がどんな部屋に住んでいて、どんなものを食べて、何をしているのか。ついつい、そんな私生活を覗いてみたいと思ってしまった。
その中年は、自身をやっちゃんねると名乗り、年齢は40代後半、
容姿は普通、どちらかと言うと仕事ができそうな見た目である。
のちに、動画内でも語っていたが、どうやら事業に失敗し、派遣の仕事に流れ着いたとのこと。そんなYouTuberに動画内のコメントには、応援するようなコメントが溢れ、徐々に登録者数、動画の再生回数が上昇していった。
ここで、YouTubeで収益を得る仕組みだが、収益の大部分は広告収入だ。
YouTubeの動画に広告が付くことで、その動画を見れば見るほど、
配信者に広告収入が入るようになっている。
つまり、動画の再生回数によって収益が決まると言っても過言ではない。
そのYouTuberの動画にも広告が付き、徐々に収益が伸びていったようであった。
ただ、ここである疑問が浮かんだ。
そもそもなぜ、この男性の動画を見始めたんだろうか。
筆者が見始めた頃は、登録者数も1000人に満たない状態で、私と同じようになぜだか見始めた人が大多数である。時期的には、コロナウイルスが猛威を振るい始め、日本国内でも初めて緊急事態宣言が発令された頃である。
そんな、国民が生活に不安を感じていた頃、筆者はよくYouTubeでコロナ関連のニュースをよく見ていた。TVと同じようにYouTubeでも連日、コロナに関するニュース動画がアップされており、仕事終わり電車内でよく動画を見ていたものだ。
コロナにより緊急事態宣言が発令されたことで、感染者数と並び問題となったのが、雇用である。コロナより、企業の業績不振が相次ぎ、派遣社員やアルバイターは職を失うといったことがあった。
私を始め多くの人は、国内の雇用に関して興味を持っていたであろう。
正社員もそうであるが、契約社員、派遣社員など。
YouTubeはサイトを開くとおすすめの動画一覧が表示される。
これは、動画を見た人の趣味、過去に見た動画と似たようなジャンルが表示されるようになっている。
そう、このおすすめに突如出てきたのが、「やっちゃんねる」である。
恐らく、コロナニュース内の派遣などと結びついて、たまたま、おすすめに表示されたのだろう。同じように動画にたどり着いた人が他にもいただろう。
コロナがなかったら、もしかすると見向きもされなかった動画かもしれない。
やっちゃんねるは、まさに千載一遇のチャンスを掴んだのだ。